小澤&サイトウ・キネン 10th Special
???1992年にスタートしたときから、サイトウ・キネン・オーケストラの一番すごいところは弦の響きだった。不世出の音楽教育者、斉藤秀雄(1902−1974)門下の優秀な演奏家が機会あるごとに集まるこのオーケストラは、いってみればオールスターチームみたいなもので、個々の演奏者の力量がとにかく高い。その上、おそろしく緻密で均質。絞り出すような歌い方といい、精緻なピアニシモの表現力といい、世界最高の弦楽セクションの威力はこのCDでも充分聴きとれる。 ???サイトウ・キネンの原点でもあるチャイコフスキー「弦楽セレナード」第1楽章の熱い演奏もいいが、特にシェーンベルクやストラヴィンスキー、武満徹には、このゴージャスな弦でしか表現できない特別な美の世界がある。そして、それこそがサイトウ・キネン・オーケストラの計り知れない可能性でもある。ここにはそんな彼らの10年間の歩みとエッセンスが、小澤征爾自身の選曲によって1枚のCDに凝縮されている。小澤のヴォイス・メッセージと写真集付き。(林田直樹)
The Japanese Orchestra の美しさとその味わい! |
日本の四季の美しさを思わせる圧倒的なサイトウ・キネン・オーケストラの演奏が本当に素晴らしいです。
西洋からもたらされた音楽が、斎藤秀雄という樽によって銘酒となり、その名前は「日本」と名付けられました、という感じでしょうか。
サイトウ・キネン・オーケストラは弦の響きが素晴らしいと言われますが、本当にその通りで、CDを通しても十分に伝わります。
全部で11曲が納められていて、有名な逸話を持つ「チャイコフスキーの弦楽セレナード」から始まります。一つ一つの曲が有名な曲ばかりですので、子供達にクラシックの名曲を聞かせたい時など最高の教材でしょうね。オーケストラの音楽が”美しい”と思えました。最後に小澤征爾さんのメッセージがあります。奇跡のような美しさ(私には奇跡のように思えてならない)を持つ、「サイトウ・キネン・オーケストラ」の演奏をこれからもずっと楽しみにしたいと思いますし、応援していきたいと思います。
ザ・ベスト・オブ・サイトウキネン |
サイトウキネンオーケストラのいいとこ取りのアルバムです。このオケはなんといっても、弦楽によるセレナードやディベルティメントが原点といえます。派手な演奏も良いですが、サイトウキネンの本当の魅力は一見地味な緩徐楽章の中にあるといえます。できれば、ブラームスも、第一楽章より、第2楽章のしっとりとした演奏の方がすばらしかったので、4つ星にしました。武満やシェーンベルクも、小澤ならではの暖かみのある演奏が堪能できることでしょう。これからのサイトウキネンがこのCDに負けない演奏を続けることを祈ります。