ニューヨーク・フィルハーモニック
ストラヴィンスキー:火の鳥
ダイナミックに呼吸する魔術的演奏 |
『火の鳥』は、「私の親しい友人アンドレイ・リムスキー=コルサコフ」に献呈されているのだが、まさにリムスキー・コルサコフ顔負けの豊かなオーケストレーション。とにかく情景喚起力が半端でなく、音楽だけでまるで映画をみているようにめくるめく場面が移り変わっていく。とくに「火の鳥」が現れる場面の描写は見事で、魔力的な光り輝く羽をもった火の鳥が飛び回る様子が、ありありと目前に浮かんでくる。ブ−レ−ズ指揮によるニューヨーク・フィルハーモニックの演奏も見事で、よく使われる表現だが本当に、オ−ケストラ全体が`ひとつの生き物`のように活き活きと躍動している。もう一つ収録されている「中国の不思議な役人」も大変色彩豊か。あらためて、音楽のもつ生命力を再確認した。