バレエ教室(子供のおけいこ)、バレエ上達のDVD,吉田都ほか

Alex Moore

Ballroom Dancing (Ballet, Dance, Opera & Music S.)

Ballroom Dancing (Ballet, Dance, Opera & Music S.) 人気ランキング : 935929位
定価 : ¥ 2,319
販売元 : Princeton Book Co Pub
発売日 : 1987-01
発送可能時期 :
価格 :
今に通用する古典的名著

アレックス・ムーア氏の筆になる名著『ボールルーム・ダンシング』については,もはや多言を要すまい。初版の出版年が1936年だから,以来読みつがれて,およそ70年近くになるわけだ。本書はその第10版である。
本書は,英国ダンス教師協会 (Imperial Society of Teachers of Dance, ISTD) の発行している Ballroom Technique (日本ボールルームダンス連盟から邦訳が出ている,通称「ボルテク」)の基になっている書物ゆえ,内容的に大きく重なっているが,違いも少なくない。以下,簡単にその特徴を述べてみよう。
全308ページからなる本書は,序章を含めて9章で構成されている。序章では,ホールドやフットワーク,ライズ&フォールといったスタンダード・ダンス全般にかかわる基本的な事柄が説明されている。
第1章から第4章まで,および第6章において,クイックステップ,ワルツ,スロー・フォックストロット,タンゴ,ヴェニーズ・ワルツの順に,基本的なフィガーについて詳説されている。その範囲は,「ボルテク」の“named variations”を含むが,いわるゆ“popular variations”には踏み込んでいない。
「ボルテク」との大きな違いは,以下の五点にまとめることができるだろう。(1)個々のフィガーについて,男女別の“フットプリント”がついていることと,(2)膝や足の使い方といった細かな注意点が記されていることだ。「ボルテク」では実際のフィガーを充分にイメージできない読者には大きな助けになる。(3)「ボルテク」では省かれているヴェーニズ・ワルツについて,英国ダンス議会による説明が付加されている。ただしこれについては“フットプリント”がついていない。
また,本書はダンス目的に応じて特別の章が用意されている。(4)第 7章では,アマチュア上級者や競技ダンサー向けのアドバイスが記されており,「ダンス表現」にも言及している。
最後に,(5)本書のもっとも大きな特徴のひとつは,厳密な意味での“ボールルーム・ダンス (ballroom dancing)”と“社交ダンス (social dancing)”を分けて,後者に対して特別の章を割いていることだ。それが第5章「リズム・ダンス」である。本書でいう「リズム・ダンス」というのは,混雑した舞踏場,つまりクラブやホテル,レストランなどで踊るためのフォックストロットのことだ (p. 159)。クイック・ステップの基本的なフィガーをゆっくりしたテンポで踏むもので,“ソーシャル・フォックストロット”と本書では呼んでいる。なお,第8章「パーティ・ダンス」で説明されているのは,わが国のダンス・パーティ会場でよく見かける「出会いタイム」の英国版と考えればいいだろう。
以上,普段書店で手に取ることのできない日本の読者のために,いささか詳細に本書の構成と内容を説明してみた。この手の書物については,私の個人的な感想を記すよりも,むしろ主観をできるだけ排した内容説明の方が,有益な情報になるだろうと判断したからである。

『バレエ教室(子供のおけいこ)』はAmazon.co.jpのウェブサービスによって実現されています。
Copyright 2005 バレエ教室(子供のおけいこ) All rights reserved.