バレエ教室（子供のおけいこ）

ABTダンサー4人が故郷を訪ねるドキュメンタリー。
貴重な過去の映像と交互に彼らのインタビューもあります。

アンヘル・コレーラ
パリ国際バレエコンクール('94)でのドンキはキレがあり、ABT('97)ではピルエットに磨きがかかって更に素晴らしいです。
スペイン気質の陽気な彼ですが、意外な一面も…。

ウラジミール・マラーホフ
特にドキュメンタリーは一番印象的でグリゴローヴィチの誘いを断った経緯が非常によく解りました。
ボリショイ・バレエ学校へトップ合格した時(10歳くらい)のバーでアラベスク等の姿勢をしているフィルムには眼を奪われます。

イーサン・スティーフィル
12歳の時の「くるみ割り」やバレエスクール時代の貴重な映像があります。
直接バリシニコフの教えを熱心に受ける姿も写真ですが登場します。

ホセ・カレーニョ
2002年ハバナ国際バレエフェスティバルの「ディアナとアクティオン」は観客もスタンディングしたりでかなりの盛り上がり。
残念ながらコーダのみですがアクティオンの踊りは躍動感あって素晴らしい。
ディアナはカレーニョのいとこだそうで好感の持てるパドドゥです。

最後は4人でモダンバレエ(シューマンの楽曲)を披露してくれます。
殆ど舞台上で踊りっぱなしなので、体力的にもキツイはずですが、4人の踊りは貴重な映像です。
このリハーサル風景やメイクの様子そして、ジャケット撮影の映像もあります。

過去の映像についてですが
コレーラ
「ドンキホーテ」（19歳時・パリ・コンクールとABT・NOWのドン・キ）
素晴らしいです。「海賊」（アリ）
マラーホフ「眠れる森の美女」ブルーバード・「ナルシス」（モスクワ時代コンクール）「海賊」ABT・ランケンデム
イーサン「海賊」と12歳の時の舞台「眠れる森の美女」など
ホセ・カレーニョ
「スワン・レイク」（３幕）
「ディアナとアクティオン」キューバでの舞台。
「ドン・キ」（ABT）
いとこのプリンシパルと踊るシーンはラティーノの持ち味が活き活きとして二人とも素晴らしいバレエ。
映像はかなり質が良く、編集や構成も満足。
モダン・バレエの作品は派手な見せ場はあまりありませんが、見ているとそれぞれのダンサーの動きがわかって楽しめます。
スペイン・キューバ・モスクワと帰省した先々の映像・エピソードも日常性が伝わってきて良かったです。
過去映像もですがやはり一番の見所は４人一緒の練習風景は観るたびに発見がある感じ。キュメンタリーですが何度も観てしまいます。

2002収録：イーサン、アンヘル、ウラジーミル、ホセがひとつのモダンダンスの振付(リハ＋本番)を基軸に、パーソナルな部分を見せてくという構成｡　
夫々のダンサーが故郷に帰ったり、小さい頃通ったバレエ学校に顔を出したり、各メンバーがそれぞれのメンバーをどう思っているか＋芸監・振付家・バレエミストレスなどのコメントも満載。その中には幼少期のお宝映像や以前のDVDからのソロの抜粋などが折り込められています。
海賊のDVDでもそうでしたが、アメリカ人だけに皆しゃべり好き｡進行もジョークありでアメリカで長かった私には非常にしっくりとなじむ。マラーホフもかなり英語うまくなってた｡ギエムレベルかな｡
このDVD、USではBorn to be Wildというタイトル。最初にBorn to be Wild の曲に乗せて各メンバーのダイジェストをプロローグとして流したのには笑えました。
みんな魅力的なダンサーばかりだし、気になるダンサーが一人でもいるなら買って損はないと思います。
最後に4人でのモダンダンスで終わりますが、確かに、う~んと唸らせるようなモンでないですが、結構楽しめました｡一人一人の体の動きを追っていると飽きるということはなかったですし、あの4人が同じステージ上で踊りの掛け合いをしてくれるだけで贅沢と思いました｡

踊りのシーンは、もっと見せ場のある踊りをたくさん踊って欲しかったなと思いますが、この４人が一度に同じ振りを踊るところはあまり見れないですし、同じ振りを踊るとそれぞれの個性がよく出て面白かったです。子供のころの映像や、普段の姿などはたくさん入っていて確かに誰かのファンならお得な感じ！

ABTの人気男性ダンサー4人の、普段見ることの出来ない姿がいっぱいです（子供の時の写真やお買い物シーンなど盛りだくさん）。トークもてんこ盛りです。最後の方で4人で踊るダンスについては正直拍子抜けですが、4人の中に1人でも好きなダンサーがいるなら、買って損はないと思います。私は輸入ビデオで持っていますが、DVDで買い直すつもりです。