パリ・オペラ座バレエ - ラ・バヤデール
鮮やかな色彩に目を奪われます |
バヤデール=「影の王国」というイメージでしたが、全幕をこのDVDで見て、印象が一変。
ダンサー達が隙のないきらびやかな踊りを次々と見せます。
一幕の薄暗い寺院の中でニキヤとソロルが踊る姿は、暗闇の中で光る宝石のようで綺麗の一言!
ニキヤvsガムザッティの愛する人を奪い合うシーンも美しいからゆえの迫力。
幻想シーン「影の王国」ももちろん素敵です。
アヘン中毒におぼれたソロルが、幻のニキヤと踊るこのシーンは初めてバレエを見る人にも納得の美しい白の世界です。
オマケですが、あんなどぎつい色の衣装、日本人には着こなせないよなぁ…。
モードの大国、おフランスの素晴らしさをも感じるのでした。
ガムザッティはプラテルの当たり役ですね |
ルドルフ ヌレーエフがオペラ座でしか出来ない舞台を創ったといわれているバヤデール、ライモンダ、眠りの森の美女など一連のプティパ振り付けのクラッシックグランバレエ。
そのなかでも彼のキャスティングに基づいて配役されたこの舞台のDVD/ビデオはバレエファン必見といっても良いのではないでしょうか。
今回のオペラ座日本公演にも選ばれたこの演目は豪華絢爛な舞台装置もさることながら、メインキャストが 若い頃のイレール、ゲラン、プラテルという素晴らしい組み合わせで知らず知らずのうちに舞台に引き込まれてしまいます。
第3幕の幻想の国でのコールドバレエの素晴らしさは誰も異論を差し挟む余地のないくらいの出来で、見事に完成されたバレエブランを堪能できます。
そして何よりゲランとプラテルの表現力の凄さがこの舞台に強力なインパクトを与えます。
踊り子ニキヤとして控えめでいながら気性の激しさをみせる演技、そして誰もを圧倒するような踊りをみせるゲラン。
またお姫様ガムザッティとして、わがままに自分の意志を通す演技、そして優雅にして豪華なまさにエトワールという踊りを見せるプラテル、何と素晴らしいキャスティングでしょう。
勿論イレールは体のキレも申し分なく2人の美女に囲まれて素晴らしいパフォーマンスを見せてくれています。
特にバレエファンでない方も、この作品を見てバレエが音楽、美術、演劇、舞踊の総合芸術なのだということを実感してみてはいかがでしょう。
きらびやかな共演 |
ゲラン、イレール、プラテル、というオペラ座の輝かしいエトワール達の共演が見られる作品。ストーリーとしては、結末にやや疑問が無くもないが、そのきらびやかさには息をのむばかりだ。バスティーユでの公演のため、舞台が広く、郡舞が圧巻。華やかな2幕と、幻想的な3幕と、違った趣向を引き立てている。3幕では、今はエトワールとなったルスティユのバリエーションをみることが出来る。